颯太は声を立てずに、しがみついているようだ。
確か、こういうのが苦手だ…というのは知っていたので、
颯太なりに気を使っているのだろう…と裕太は思う。
逆にジュンペイは?と目を開けて見てみると、
あろうことか、竜にベタッと顔をくっつけてはいるものの…
目をしっかりと開けて、ケタケタと笑いながら楽しんでいるように
見える。
きっと遊園地では、ジェットコースターに乗ったら、手を離して
はしゃぐのだろうな、と勝手に想像する。
まるで曲芸をするように、竜はまっすぐに落下をすると、
いきなりフワッと、身体が羽が生えたみたいに、軽くなったような
気がした。
(まさか、これって、無重力みたいなもの?)
そんな、バカな…とは思うけれども、裕太は思い切って目を開ける。
するといつの間にか、周りの景色が一変していた。
そういえば…風の音が消えて、しーんと静まり返っている。
「えっ?なに?まさか、これが…トンネル?」
ポツンと裕太がつぶやくと、耳ざとくジュンペイが聞きつける。
「えっ?なになに?何かあったのか?」
場違いなくらいに、興奮状態ではしゃぐジュンペイの声が
弾んで聞こえてきた。

