「だってさぁ、冒険って、男のロマンなんだろ」
知ったかぶりをして、裕太は背伸びをして言う。
「それを言うのなら、自分で探すことだって、十分男のロマンだ」
何だか焦点が、ずれている感はするけれど…先生は気にせず、ピシリと
返す。
「え~っ、先生ってば、真面目だなぁ」
裕太が呆れた口調で、大きな声を出すと、
「悪かったな」
先生はフンとソッポを向く。
まるで子供のケンカのようだ。
だが先生は、さほど気にしている様子はない。
「だけど、調べることだって、意味があることなんだ」
ねっからの研究畑の先生は…裕太に向かって熱く語る。
「だって、考えてもみろよ。
自分の考えていることが当たって、それで解答に結びついたら!」
それって、スゴイことだろ?
先生は、自分の言葉にワクワクした気持ちを隠すことなく見せている。
「まぁ…そうだけど…」
だが裕太は、先生よりは冷静だ。
それを言っていたら、キリがない…と素直にうなづけないのだ。
「それにあの人たち…恐竜に助けられた、と言っているんだろ?
ユメにしては、やっぱり気になるだろう?」
ニコニコしながら、先生が言う。
「きょうりゅう?」
(先生は、本気なのだろうか?)
裕太は、言葉に詰まる。
先生の狙いは、何なんだ?
やっぱり、先生の言いたいことが、裕太にはわからない。