「それがね、たぶん鳥の島の地図だって…先生が言うんだ」
じいちゃんの反応を見て、すっかり裕太は元気を取り戻す。
大げさなくらいに、じいちゃんはカァッと目を大きく見開いて、
「やったな、裕太!すごいぞ」
これ以上ない、というくらいに、裕太を褒めたたえる。
(やっぱり、じいちゃんは…ボクの味方だ…)
じいちゃんの笑顔を見て、すっかり裕太の気持ちが晴れやかになる。
「どんなの?その地図…
出来たら、ワシにも見せてくれないか?」
ニコニコしながらも、じいちゃんはハッキリとした口調で、裕太に
話しかけてくる。
それを見ると、すっかり裕太のお尻がモゾモゾしてきて、落ち着かない
気分になる。
「いいよ、もちろん!」
待ってました、とばかりに、裕太は二つ返事をする。
そうして、
「ちょっと、待ってて」
じいちゃんにそう言うと、裕太は急いで自分の部屋に戻る。
その様子を、苦虫を嚙み潰したような顔で見ていた母さんが、
「おじいちゃん、いいんですか?
裕太がすっかり、その気になっていますよ」
じっとりとした目で、じいちゃんに訴える。
「おまえはまだ、そんなことを、言っているのか?」
たちまちじいちゃんが、眉根をキュッとしかめる。
「まぁ、まぁ、まぁ~
心配するお母さんのお気持ちも、わからないでもないですしぃ」
ここはあくまでも冷静に…
先生は、二人をなだめるように、間に割って入った。