すると母さんは、眉間にシワを寄せ、キュッと唇を引き結ぶ。
「そんな言い訳…通用するわけがないじゃないですかぁ~
おおよそ裕太にでも、頼まれたんじゃあないですか?」
先生に向かって、キッパリとそう言う。
「何ですか?それ…心外だなぁ」
さすがの先生も、母さんの勢いに、圧倒されたようだ。
カタカタカタ…と貧乏ゆすりを始める。
(ほら、やっぱり…)
母さんは勝ち誇った顔をして、先生のことを見ている。
何か言うことでもあるか…と言わんばかりだ。
はぁ~
母さんは、ため息をつく。
「そんなに、行きたいんだ」
チラッと裕太の方を見ると、裕太は少し青ざめた顔をして、
「うん」とうなづいている。
「わかった」
そう言うと、腕組みをしている。
「いいの?」
上目づかいをして、母さんを見上げると、母さんの鋭い視線と
ぶつかる。
「だったら…私も一緒に行く」
キッパリと、母さんは言い切る。
「えっ」
これには先生も、毒気を当てられたようで、
「それはちょっと」と、声をもらす。
「何よ、裕太はよくて、私がダメだと言うの?」
すっかり猫かぶりはかなぐり捨てて、すぐに先生に食ってかかる。
(かあさーん)
これ以上先生に、迷惑をかけないでよぉ~
裕太は心の中で、そう願うけれども…
「だって、そうでしょ?
裕太たちはよくて、私がダメって…
子供は大丈夫でも、女の私は、大丈夫じゃあないの?」
何だか母さんは、虫の居所が悪いのか…やけに先生にからんできた。

