「ねぇ~じいちゃん!
どうやったら、うまく母さんを説得出来るの?」
ついに裕太は、出かけようとしていたじいちゃんを、玄関先で
捕まえるのに成功した。
じいちゃんは怒ったりせず、靴に片足を入れたまま、
「例の話か?」
すぐに裕太に聞く。
「うん」
そうか、とじいちゃんは裕太の顔をにこやかに見返すと
「今日は早く帰って来るから、後で話そう」
それで、いいか?
裕太に約束してくれた。
それならば、じいちゃんを待っている間、少しでも母さんを刺激
しないように…と、裕太は画策する。
宿題をしたり
(かえって、珍しい…と言われた)
庭に水をまいたり、洗濯物を取り込んだり…
思いつく限り、ご機嫌を取るようにと務めた。
もっとも母さんは、「気持ち悪いわねぇ」と、苦笑いしていたけれども。
それからふと、最近、ジュンペイの姿を見かけないことに気が付く。
(どうしたんだろう?)
あの竜のホコラから戻ってから、まだ一度も、遊びにはこない。
(一体、何があったのだろう?)
そんなことは、天と地がひっくり返るくらい珍しいので…
もしかしたら、何かあったのか、と心配になる。
本当ならば、ジュンペイに事情を聞きに行きたいところだが…
母さんの目が光っているため、それも中々かないそうにない。
(あともう少し様子を見てからだな)
気になることが、山盛りなのだ。

