「何だか、空気が変わったなぁ」
ショータは辺りをうかがい、後ろにいるユウジに話しかける。
「うん…」
よくわからないけれど、ここに来て、重苦しい空気を感じる。
「何だか…息がつまる感じ…」
ショータに言われるまでもなく、ユウジも異変を感じていた。
どこが変わったか…というのは、わからないのだけれど。
何だか肌がピリピリするようなものを、感じる。
この皮膚の感覚。
息苦しさ。
毛穴の一つ一つから、汗が噴き出す感じ…
(何かが、おかしい…)
そう思うけれど、実際のところは、どこが、とは言えないのだ。
ペガサスは、まるで二人の気持ちを感じ取るように、静かに
微細な揺れもなく進んでいる。
「あれだ、洞窟の中に入っているみたい…」
ポツンとユウジがつぶやく。
「そうだな」
外観はお化け屋敷なのに…何だか、岩だらけの真っ暗な洞窟の中を
さまよっているみたいだ。
ショータは持っているリュックから、懐中電灯を取り出す。
「ティンカーベルの金の粉って、こういう時には便利だなぁ」
わざと陽気に、ショータがユウジに話しかける。
ショータに言われて、ユウジも目をこらして前方を見ると、
ティンカーベルの進んだ後には、金色のキラキラとした道が出来ている。
「そうかぁ~あの後を追いかけて行けば、確かにはぐれたりは
しないな!」
ははっと、ショータが笑う。

