ストーンヘッドが去った後は、白い煙が舞い上がっているだけで、

何も残されてはいなかった。

「ヤツは別に、悪さをしに来たわけじゃあない。

 ただ…この辺りを壊れていないかどうか…チェックしているだけだ」

ナイトは、上の方を指差してみせる。

「ほら!ストーンヘッドの通った後は…いつもはきれいに、直されて

 いるんだ」

「へぇ?」

なんだよ、それ…

石の修復屋さんってこと?

「そんな風に、見えないけどなぁ」

ショータが思わずつぶやくと…

「ボク…襲われるかと思った!」

ユウジはまた、ビクビクした顔をしている。

「それはあながち、間違ってはいないよ」

ナイトは、ニヤリと笑ってみせる。

「ストーンヘッドは、自分を邪魔する者には、容赦はしない。

 徹底的に、叩きつぶしにやってくる。

 たとえそれが、味方でもな!」

 物騒なことを、あっさりと言ってのけると、自分の手のひらで

パン!と叩きつぶすような仕草をやってみせた。

ひぇ~っ

ユウジが、情けない声を上げる。

 

「あれ全体が、頭ってこと?」

 ショータはまだ、ストーンヘッドの頭がどこにあるのかが、

気になっている。

「いや、頭はちゃんと、別のところにあるよ」

ナイトはサラリと、そういう。

「え~っ、でもさっき、見えなかったよ」

ユウジが声を上げると、

「あなたたち!何をグズグズしているの?

 早く来なさいよ!」

ティンカーベルの甲高い声が、響いてきた。

 

 

 

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