「やぁ~裕太くん!元気にしていたか?」
先生はさすがに、少し疲れている様子だったけれど、いつもと
変わらないくらい、元気そうだ。
「先生!本当に、来てくれたんだね!」
こうして目の前にいるのに、裕太はまだ、信じられない。
夢ではなかろうか…とさえ思う。
「当り前だろ?こんなチャンスは…中々ないからなぁ」
嬉しそうに、ポンポンと、裕太のキャップを軽くたたく。
「ソウタ!」
先生の傍らから、飛び出してきたのは、裕太にとって、最も大切な
親友の颯太だ。
颯太はキョロキョロしながら、
「あれ?ねぇ、ユウタの新しい友達は?」
目で探している。
「ジュンペイのこと?ジュンペイはねぇ、今日はここに
来ていないよ」
「なぁ~んだ」
颯太は本当に、残念そうな声を出す。
(なんだ、本当に会いたかったのか?)
相変わらず、颯太は優しいなぁ~
裕太は感心する。
当のジュンペイは、珍しくこの場にはいない。
用事があるから、と言ってはいたが…
(もしかして、人見知りなのか?)
裕太は意外に思う。
(キャラじゃないのになぁ)
思わず、笑いそうになる。
顔をニヤつかせていると、
「またあらためて、紹介してもらうさ」
らしくなく、ジュンペイははにかんだ顔で、裕太に言うので、
どうやら、会いたくないわけではなさそうだ…と気づいた。