「え~っ」
そんなことをしても、平気なの?
さっき…目を真っ赤に光らせて、襲い掛かろうとしたケイタのことを
思い出し、ゾッと肩をすくめる。
「どこに連れて行くの?」
「置いていくわけには、いかないだろ」
ルークの答えは、とても完結だ。
「元に戻せる?」
不安そうに、カガリが尋ねる。
「わからないが…かけた本人に、解いてもらうしかないかもな」
グッと、ケイタをかかえ直すと、
「この中に…何かが隠されてあるはずだ。
それを探すぞ」
一同にキッパリと、そう宣言した。
「みんな…煙を吸うなよ」
ルークが後ろを振り返ると、すばやくケイタを自分の身体に、
縛りつける。
「ねぇ~そんなことをして、大丈夫?」
こわごわと、カガリがケイタの顔をのぞき込む。
「あぁ、大丈夫だ。今のうちに早く探すぞ」
バタンバタンと壁をたたき、床を一枚一枚、足で触れて確認していく。
特に何も、変わったものはない…
ケイタのカギが、突き刺さったままだ。
「うーん、ここじゃないのかなぁ」
そう言いながらも、ルークは懐中時計をポケットから取り出す。
「あ~それって、発信機?
こんなので…本当にわかるの?」
すかさずアキが、見とがめる。
だがルークは、じぃっと画面を見つめる。
「私のは、ナイトのは、違うんだ」
そう言うと、パチンとフタをしめた。