(本来ならば、この子たちは、連れて行くべきではない…)
かなり、危険だ…
ルークは、そう思っているのだが…
かといって、ここに置いていくのも、安全かというと、それも違うと
思う。
(さて、どうしよう?)
チラリと、ゼペットさんの方を向く。
どうやら彼も、ルークと同じことを、迷っているようだった。
「私たちのこと…足手まといだと思っているんでしょ」
ルークの横顔を見ると、アキがすかさず声をかける。
「いや、そんなことは…」
アキのカンの鋭さに、ルークは一瞬、返事が遅れる。
(やっぱり…)
だがアキは、それを見逃さなかった。
「大丈夫よ!私たち、これでも、けっこう役に立つんだから!」
ね?
アキは、カガリを振り返る。
「もちろん!」
本当は、ちょっと気おくれしていたカガリだが…
アキと目が合うと、無理やりうなづく。
「まぁまぁ、無理をしないでもいいんだよ」
ゼペットさんが、二人に向かって微笑むけれど…
「私だって、いるわよ!」
もう一人の女の子…アリスが、ゼペットさんに向かって、話しかけた。
「あっ、もちろん、キミもだよ」
ゼペットさんが、あわてて付け足すけれど…
「え~っ、忘れてただろ?」
たちまち帽子屋が、ケラケラ笑う。
(やけに、からむなぁ~)
アキは、アリスのことを、気の毒に思うけれども。
「キミは勇敢な子だ!
きっと、自分の身は、自分で守れるはずだ」
ピシリと、ルークが答えた。