信じられない。
ホントか?
颯太に、久しぶりに会えるなんて!
「うわぁ~、それは、楽しみだなぁ」
さっきまでの憂鬱な気分が、一気に吹き飛ぶ。
「ぜひ、その地図も見せてよ」
「うん、地図というよりも、ただの記号だけどね」
電話越しに、こうして話をしていると…
あの頃に戻ったみたいだ。
まさか、これ、夢じゃあないだろうな?
「ホント、楽しみだなぁ」
早く、来ないかなぁ!
裕太はうっとりとした顔をして、電話をギュッと握りしめる。
クスクス…と、笑い声がして、
「もちろんボクも、楽しみだよ」
また、冒険がしてみたいなぁ~と、颯太の楽しそうな声が
耳に届く。
「で、みんなは、元気?」
「もちろんだよ。みんな、裕太がいなくなって、つまんないってさ!」
颯太の陽気な声が響く。
ほんの数か月前までは、裕太も颯太のいる学校に通っていた。
それが、今では信じられない。
「ねぇ~竜の社って、どこにあるの?案内してくれる?」
颯太はいつも、裕太の欲しい言葉をかけてくれる。
「あぁ、もちろんだよ」
あまりに幸せ過ぎて、裕太は何度も、自分のほっぺをつねってみる。
「ねぇ~その無人島は、いつ行くの?」
催促するように、裕太は尋ねる。
もうすっかり、裕太は颯太と一緒に、行くつもりになっていた。