「ほら、いいって !」
笑いながら、アキが言うと、
「言ってない!」
すぐにルーク言い返す。
「ダメ?」
アキが上目づかいで、ルークを見上げる。
う~っ
困ったように、ルークが言葉を濁すと…
ははは!
ゼペットさんが笑いながら、ルークを見る。
「こうなったら、トコトン付き合おうじゃあないか」
なだめるように、ポンポンと、ルークの肩をたたく。
ルーク自身は、ゼペットさんに頭が上がらないのか…
「わかった」
ボソッとそう言う。
「だが…ここからは、我々の指示に従ってもらおう」
チラリと、ゼペットさんの方を見ると、ブスッとした顔で
そう言い切る。
アキもカガリも、それには異存がない。
万に一つでも、ケイタのいる可能性に、賭けてみよう…と
思っていたからだ。
「早く行きましょうよ」
ウズウズしながら、アキはルークに声をかける。
「まぁ、待て」
ゼペットさんが笑いながら言う。
「ここから先は、何があっても、おかしくないから…慎重にな!」
二人をなだめるように、そう言った。
ランタンを差し込んで、中をうかがうように見る。
ポッカリとあいた穴には、梯子段がかけられており、広い空間が
広がっているようだ。
ただ…気になるのは、その空気感だ。
何か、悪意のような、ドロリとしたものが漂っている…
ルークはそんな風に、感じる。