「うわっ」
「やっぱり、地下牢だ」
「いや、隠し金庫じゃない?」
期待に満ちた目で、一同はじぃっとルークの手元に注目する。
「さぁ、それはどうかな?」
ルークは、1メートル四方の穴に、そっとランタンを差し入れた。
「暗いねぇ」
「深い?」
「階段がある?」
「ねぇ、ロープがいる?」
口々に、ルークに向かって、話しかける。
「そうだなぁ~よく見えない」
さっき聞こえたノックの音は、空耳なのだろうか?
「どこから、聞こえたんだろう?」
「人の姿は見える?」
ためしにルークが、首だけを穴に突っ込む。
「大丈夫?」
「落っこちないでよ」
アキとカガリは、ルークの身体を手で押さえる。
「あぁ~階段があるなぁ~
思ったよりも、広いようだ」
首を突っ込んだまま、ルークが伝える。
「行けそう?」
カガリは何とか、もっとよく見えないものだろうか…と、
懐中電灯を差し出す。
「うん、たぶん」
ルークが首を引き抜くと、そのタイミングで、
「さぁ、行きましょ」
アキはカガリをうながす。
「えっ?行くの?本気?」
さすがのカガリも、二の足を踏む。
「大丈夫だってぇ~ルークもいるし」
アキは能天気な声を出して、カガリの顔をのぞき込む。
「え~っ、ボク?」
それはちょっと、責任がもてないけどなぁ~
冗談めかして、ルークがアキに向かって、顔をしかめてみせた。