「なんだよ、なんだよ!

 信じないんなら、手伝ってくれなくてもいい」

 ジュンペイが、大きな声でわめき散らす。

すると…さっきまで黙って作業していた図書委員の女の子が、

ガバッと立ち上がる。

「ちょっと、あんた達!

 ここは、図書室よ!

 静かに出来ないのなら…ここを出て行って!」

ついに、怒らせてしまった。

 

「ごめん」

 裕太は、ポツリとつぶやく。

「別に」

ジュンペイはまだ、ブスッとした顔で、ソッポを向く。

「どうせ、自分でもおかしなことを、言ってると思うし」

やっぱり、まだ根に持っているようだ。

「で…どこにあるのか、わかった?」

口調を変えて、なるべくジュンペイの逆鱗に触れないよう、

気を使いながら、裕太は聞いてみる。

「うーん、正確な位置は、まだ…」

ジュンペイらしくない、スッキリしない答えだ。

「そっかぁ~」

もっともあれが、島の位置を示す数字だ…と、最初に言い出した

のは、ジュンペイだ。

「何しろ、海のど真ん中だからなぁ」

ボヤくように、ジュンペイはため息をつく。

「さすがに…GPSでも、わかんないだろうなぁ」

「じゃ、衛星写真とかは?」

それとも…ドローンで、見つけられないだろうか?

段々裕太の妄想も、膨らんでいく。

(これは…ボクたちの手には、負えないかもなぁ)

半ば弱音を吐きそうになるけれど…

「そうそう、裕太の先生は、なんて言っているんだ?」

いきなりジュンペイが、裕太に尋ねた。

 

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村