「何だよ、失礼な」
ポカリとまぶたを開くと、その人がブスッと声を出す。
「ウソでしょ」
「なんで、オジサンがここに…」
「まさか、ニセモノ?」
パニックをおこしたアキとカガリが、ルークの後ろで、口々に
騒いでいる。
「うるさいなぁ~」
人のことを、化け物みたいに!
よいしょと身体を起こすと、オジサンは座り込んだまま、二人を
にらみつける。
「オジサン…どこかに行ったんじゃあなかったの?」
「どうしてここで、寝ているのよ」
やや興奮状態で、二人がルークを盾にして、やつぎばやに話しかける。
二人に盾にされたルークは、困り顔だ。
「どうして、と言われても、困るなぁ」
「なんで?」
ごまかされるものか…と、アキは噛みつくようにして、オジサンを
見返す。
だがオジサンはひるむことなく、ひょうひょうとして
「だって気が付いたら、ここにいたんだから」
さらりと言い返す。
「え~っ」
そんなことって、あるのだろうか?
アキは疑いのまなざしを、オジサンに向ける。
オジサンはまっすぐに、その視線を受け止めると、
「その様子だと…信じてくれと言っても、ムリそうだなぁ」
ははっと笑う。
「悪いけど…あんた、今、どういう状況か、わかっているのか?」
見てはおれない…とばかりに、ピーターが声を上げる。
「どういうって…」
ようやくオジサンは、自分の周りを見回す。
アキやカガリやゼペットさんたちが、少し離れて見守っている。
さらに自分の周りに、フワフワと奇妙な物体が飛んでいるのを
目にした。