(ちょっと、待って!…再生って?)
自分で思いついたその言葉が、アキの脳裏に引っかかる。
「なんだろう…」
アキは、すぐ脇に立っているショータに向き直る。
「ん?なに?」
ショータも何事かを、考え込んでいるようで、アキの切羽詰まった
顏に驚く。
「ショータ、あのねぇ~うまく言えないんだけど…」
何と言葉にしたら、いいのだろう…この違和感を!
そう考えながらも、
「ここって、もとのお城を、コピーして作ったってことでしょ?」
いきなり切り出す。
「ま、クローンみたいなね」
一応、アキの意見にうなづく。
「ほぅ~」
ナイトが、声をもらす。
「へっ?」
ユウジは、キョトンとしている。
「ふーん、で、そう考える根拠はなに?」
面白い話を聞いた…という顔をして、ショータはアキを見返す。
「だって、アリスも言ってたでしょ?
ホンモノのようで、ホンモノではないって」
チラッと、アリスを見る。
「えっ、ワタシ?」
まさか自分の言っていたことに、反応するなんて…と、アリスは
両手で口を隠す。
「そうだな」
ショータがニヤッと笑って、よく気が付いたな、とばかりに
アキを見返す。
「ということは…コピーした原本…というか、そのものみたいな
ものが…」
(あれ?)
そう言いかけて(やっぱり、ちょっと違う)
アキは、頭をかしげる。
「うーん、何だろう…うまく言えないなぁ」
もどかしそうに、アキは盛んに頭をかしげた。