「間違えじゃないわよ!だって…私が直接持っていくように、って

 頼まれて、あなたに届けに行ったのだから」

 間違えようがないでしょ!

メアリーがキッパリと、そう言ってのける。

「えっ?あなたが?」

アキはキョトンとする。

「カフでも、ノワールでもなかったんだ…」

想像と違った…

ポツンとつぶやく。

 

 そんな彼女を、チラリと見ると、

「これで、わかったでしょ?

 私は、あなたたちよりも先に、あの子に会いに行ったの」

なぜかメアリーは、勝ち誇ったように、ナイトに言い切る。

そうして、アキの手をぐぃっと引っ張ると、

「ところで、招待状は持って来た?」

確認するように聞いた。

 

(やっぱり、招待状なんだ。

 この招待状に、何の意味があるのだろう?)

 何の変哲もない、その紙が…

どれほどの価値が、あるというのだろう。

「ねぇ、持ってきた?」

さらに聞いてくる。

もしも忘れたと言ったら、どうなるのだろう?

アキはそんなことを、ボンヤリと思う。

「持って来たわよ」

なぜか黙り込むアキに代わって、カガリが返事をする。

「そう」

 それは、よかった…

メアリーは、ニコリと微笑む。

何でそんなに、招待状にこだわるのだろう?

あれに何か、仕掛けがあるとか…

秘密が隠されているとか…

宝の情報が、入っていたりするのだろうか?

まるで、ドラマのような筋書きを、妄想したりしていた。

 

 

 

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