『それなら…首元から垂らしてあげればいい』
すぐに答えが返ってくる。
え~っ
ジュンペイ…気持ち悪くないのか?
スゥスゥとかすかに寝息をたてて、眠るジュンペイの顔を、
チラリと見ると
「ジュンペイ、ごめん」
他にうまい方法が思いつかないので、リュウタの言う通りに、
ジュンペイの喉ぼとけの辺りから、ゆっくりとその水を
垂らしてみる。
すると、水の当たる部分から、ジワジワとほの白い光を
帯びているような気がする。
(えっ?)
目の錯覚か?
それでも、1滴、2滴と垂らしていくうちに…
ジュンペイの胸のあたりが、規則正しく鼓動を取り戻して
いるように感じた。
「あっ…」
死んだようだったジュンペイが、今にもまぶたを開けそうな
気配がする。
あまりに不思議なことの連続に、裕太は水入れを落としそうに
なり、あわてて中をのぞき込むと…
ほとんど中身は、残ってはなかった。
『それじゃあ、最後に…残りの水を、頭に垂らすんだ』
今度は裕太は、質問をしたりはしない。
さっきから、信じられない光景を目の当たりにしているので、
これもきっと、何か意味があるに違いない、と信じたからだ。
(でも…これで本当に、ジュンペイが目覚めるのだろうか?)
やっぱりまだ、半信半疑だ。
