「へぇ~」
神々しいというのは、こういうのをいうのだろうなぁ…
裕太はしばらく、ボンヤリと見上げる。
「確かに…ここ、来たことがあるかもしれない」
あの時は、ジュンペイを探していたから、大して気にも留めては
いなかった。
ただ、キレイだなぁ~と思っただけだ。
「それよりも…命の水だ」
ホコラって、どこだ?
裕太はグルリと、その空間に光を当てる。
壁を大きくくり抜いた形跡があり、竜をかたどった柱が、
その凹んだ所に立っている。
「うーん、これって…神棚?」
正しい呼び名は知らないけれど、とりあえずそう呼んでみる。
台のようなものが、見える。
よく見ると…竜の目に当たる所に、赤い石がはめ込まれている。
「これって…宝石?」
じぃっと見上げる。
その石は、懐中電灯の光に照らされると、キラリと光を放つ。
思わず、もっと手に触れよう…とすると、竜と目が合ったような気がした。
(この竜…どこで見たっけ?)
赤い目をした竜…他で見たような気がする。
(あれは、どこだったっけ?)
裕太は、うーんと頭をひねる。
あれも…洞窟の中を探検した時に、見つけたはずだ。
(あの時も、大変だったなぁ)
つい、思いを巡らせていたが、すぐにハッと我に返る。
「いけない、いけない!
命の水、命の水だ!」
それにしても…命の水って、どこにあるんだ?
裕太はもう一度、頭をグルリと巡らした。