光の玉は、フワフワと揺れながら、アキたちの後をついて

来ているようだ。

今のところは、攻撃してくる様子もない。

なので、あまり気にならなくなってきた。

 まったく同じ建物だ…と思っていたが、やはりどこか違うようだ。

まるで一同が進む分だけ、廊下が伸びていくようば気がする。

「ねぇ、これって…カラクリ屋敷?」

思わずアキは、ルークに向かって、声をかけてみる。

「えっ?」

すぐにカガリが、(アキちゃん、何を言っているの?)と、けげんな

顔をするけれど…

「まぁ、そう言われたら、そうかもなぁ」

にこやかに、返してくる。

「どういうこと?」

ユウジはアキに向かって、聞いてくる。

「だって…ちっとも、目的地が見えてこないでしょ?

 それに…あのオジサンが、ドンドン遠ざかって行くの、ヘンだと

 思わない?」

アキの指先が、まっすぐに、前方に小さく見える、オジサンの

背中を押す。

「確かに、そうだな」

ショータが、大きくうなづく。

 

「何だって?」

 ショータのひと言に反応したのは、帽子屋だ。

「私は、君たちのお遊びに付き合っていられるほど、暇じゃあ

 ないんだ」

キーキー声で、わめき散らす。

「うるさいわねぇ。お茶ばっかり、飲んでいるくせに」

すぐに、ティンカーベルが言い返す。

「あんた、まともに、仕事をしてないでしょ」

リンとした声で、ヒラヒラと帽子屋の周りを、金粉をまき

散らした。

 

 

 

 

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