光の玉は、くっついたり、離れたり、一つになったり、
二つになったり、さらに枝分かれして、無数に増えて、
アキたちの前を、フワフワと行ったり来たりしている。
「もしかして…道案内しているのかしら?」
デマカセで、アキがそう口に出して言ってみる。
すると何だか、そんな気がしてきた。
「そうかぁ~この屋敷にいたカボチャたちかも、しれないね」
そんなことが、あるわけがない…と思うけれども。
段々そんな気がしてくる。
「それって…この屋敷に閉じ込められていた、子供の魂よ」
フワフワ…と、金粉をまき散らして、ティンカーベルが
アキにささやく。
「えっ、そうなの?」
ティンカーベルが、パタパタと羽を動かすたびに、粉が
さらに散らされる。
アキは、クシャミが止まらない。
だがティンカーベルは、そんなことは一切おかまいなしで、
アキの周りをバタバタと飛び回ると…
「えぇ、そうよ!
あなたたちも…あの子たちと、同じ運命にならないように
気を付けることね!」
そう言い捨てると、再びピーターのもとに戻って行く。
アキは鼻を押さえて、
「ねぇ、どう思う?」
傍らにいるカガリに尋ねる。
「そうねぇ」
フワフワと浮かぶ、光の玉を見上げると、
「それなら…私たちの味方よね?」
そう言って、微笑んだ。