「そうかぁ」
確かに、今のジュンペイを連れて歩くわけにはいかない。
裕太はおとなしく引き下がる。
「じゃあ、ホントに、戻って行ったら、見つかるんだよね?」
くどいくらいに、繰り返し裕太は確認する。
自分に、わかるのか、裕太にはどうも自信がないのだ。
だが、このままではいけない…
ということだけは、裕太にもわかっている。
「わかった」
裕太は、小さくつぶやく。
とにかく、こうするしかないんだ…と、自分に言い聞かせた。
「じゃあ、ジュンペイ…ホントに、もとに戻るんだね?」
もう一度、聞いてみる。
『あぁ~もちろんだ』
だが、その答えは一貫していて、揺らぐことはない。
「そう…だったら、ジュンペイのこと、よろしくお願いします」
裕太はペコリと龍神に頭を下げると、思い切ってクルンと背を向ける。
それならば…一刻も早く、その命の水とやらを、見つけなくては…
と強く思う。
だが、本当に自分に見つけられるだろうか?
何度も何度も、同じことを自問自答する。
行きがかり上、一人で行くことになってしまった…
がぜん、裕太は心細くなる。
今まで、一人とはいっても、リュウやリュウタがいた。
何だかんだと、本当の独りぼっちではなかった。
それを意識したとたん、この洞窟が、急に不気味なものに
見えてくる。