確かに、おかしいとは思っていたけれども。

それでもアキは、認めようとはしない。

はぁ~と、ナイトがため息をつく。

「それじゃあ…あの人のこと、どのくらい、知ってる?

 名前は?どこに住んでいるの?」

 アキと同じように、ナイトをにらみつけていたカガリは、

その言葉にハッとする。

「確かに…そうだわ」

クルリと、アキの方を向く。

「じゃあ、どうしてあのオジサンが…ここにいるんだろう?」

そう言うと、目の前でこちらを向いて立っている、オジサンをじぃっと

見つめる。

 何となく遠巻きにして、こちらをうかがっている子供たちに

気が付くと、

「おいおい、どうしたんだ?

 私は、お化けじゃあないぞ」

豪快に、笑ってみせる。

「ほら、足だって、ついているだろ?」

ニコニコしながら、こちらに近づいて来る。

 

「ね、どうする?」

 アキはカガリに、コソッと話しかける。

「うーん…まぁ、とにかく、様子をみましょ」

そう答えると、

「何をコソコソ、話しているんだ?内緒話かぁ?」

やけに明るく、話しかけてくる。

「いいえ、何も」

やや引きつった顏で、笑ってみせる。

 

「ねぇ、オジサン!

 オジサンは今まで、どこにいたの?」

 わざと陽気に、アキは話しかける。

「私か?私は、この屋敷にずっといたよ」

相変わらず、のどかな顔で、オジサンは答える。

「え~っ、でも…この屋敷が、動いたのは気づいてた?」

カガリも、オジサンに向かって尋ねた。

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ