ここは、一体、どうなっているんだ?

考える余裕もなく、とにかくジュンペイに向かって、手を伸ばす。

伸ばした先が、緑色のスライムのようなものに、めり込むので、

中々前に進めない。

それでも裕太は、手足を思いっきり大きく振り動かすと…

じれったいくらいに、のたのたと近づいた。

思い切って、白い繭のようなジュンペイの身体に触れる。

(まさか…死んでいないよな?)

そんな不吉なことまで、頭をよぎる。

それでも、思い切って体に触れると

「ジュンペイ!おい、ジュンペイ!しっかりしろ」

ユサユサと、身体を揺さぶる。

グッと握りしめている、ジュンペイの手の甲に触れる。

「冷たい…」

ヒンヤリとした手だ…

顏も、信じられないくらい、青白い。

「いやだ、ジュンペイ!

 目を開けろよ!

 早く、帰ろう!

 ジュンペイ!」

力まかせに、ジュンペイの身体を、やや乱暴に揺する。

まるでマネキン人形のように…まったくピクリともしない。

完全に、意識を失っている状態だ。

 

 一瞬裕太は、もう手遅れなのか、とあきらめかける。

『大丈夫だ。君の友だちは、生きている』

リュウタの声が、裕太を励ましてくれる。

 そうなのか?

疑いながらも、ジュンペイの身体を、そぅっとあおむけにする。

手足は、驚くほど冷たいけれど…

ジュンペイの胸に、耳をつけると、かすかに鼓動が聞こえた。

 

 

 

 

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