城の入り口には、大きな鉄の取っ手が付いている、ずっしりとした
大きな木の扉だ。
ナイトはソッと、手を触れる。
ギィ~ッと、大きな音を立てて、その扉が開いた。
「やはり…キミたちが来るのを、待っていたようだな」
前方を向いたまま、ナイトがアキに声をかける。
「招待状は、なくすなよ。
たぶん、それが…無事に帰るためのパスポートとなるはずだ」
重々しくそう言うと、さらに扉を大きく押し開く。
ギギギ…
さらに大きな音を立てると、ナイトがスルリとくぐり抜ける。
ナイトの後ろには、ショータとユウジが。
そして、アキとカガリ。
ピーターの肩には、ティンカーベルが。
アリスに隠れるようにして、イカレ帽子屋。
ゼペットさんとルークは、その一番後ろに続く。
ガランとしたエントランスだ。
人の気配を感じない。
「ねぇ、本当に、誰かいるの?」
そうアキがつぶやく。
「やぁ、キミたち。
よく、ここまでたどり着いたなぁ」
階段の向こうの方から、声が聞こえてきた。
「えっ」
アキはビクンと、顔をこわばらせる。
ショータも眉をひそめ、ユウジは
「だれ?」と声を上げる。
ササッと、ナイトが前に躍り出ると、険しい顔をして
身がまえる。
ピーターはフワッと舞い上がると、ヒュンとティンカーベルが、
声の主に向かって、突進する。
あははははは…
笑う声が響く。
身を縮めているアキたちを目にすると、
「なんだ?君たち!
私のことを、忘れたのか?」
楽しそうに、ささやくように話しかけた。