「何だよ、それ!SFマンガか?」
からかっているんだろ?
裕太はすべてを、笑い飛ばそうとする。
「じゃあ…ドッキリ?
それとも、やっぱり誰か、隠れているの?
まさか…ジュンペイ?
そうでしょ?
おーい、ジュンペイ!いい加減にしろよなぁ」
裕太の頭は、グチャグチャだ。
何が何だか、まったく理解できないけれど…それでもジュンペイの
姿を、探そうとしている。
「どういう仕掛け?」
おどけながら、まっすぐに手を突き出す。
すると…ムニュ!
目に見えないゴム状のものに、はばまれている。
「えっ?なに、これ」
グイグイと手を伸ばすと、ズブズブと手首まで、めり込んでいく。
「えっ?えっ?」
裕太は気味が悪くなり、あわてて手を引っ込める。
「ほら…言わんこっちゃない」
まるで、じいちゃんみたいなことを言う。
「おい、何だよ、これ!」
手の込んだイタズラだなぁ。
一体、どんな所に、連れて来たんだよぉ…
裕太は、少し腹を立てる。
「これじゃあ、うまく身動きがとれないじゃないかぁ」
ごきぶりホイホイか?
ブツブツと文句を言う。
「だから、君の友だちも、同じような目にあっているんだよ」
今度は先生のような言い方で、裕太に向かって話しかける。
「何だよ、それ」
まるで、底なし沼にはまり込んだみたいじゃないか!
しゃれにならないぞ!
裕太はドローンを、にらみつけた。