一生懸命、納得させようとするけれど…
それを言ったら、どこも同じように見えてしまう。
「あの木の幹だって、見て!
あのコブのような所…
あの大きな木のウロだって、ソックリだと思わない?」
アキが言えば言うほど、カガリは「うーん」と考え込むばかりだ。
するといきなり、ショータが「あっ」と立ち止まる。
「えっ?どうしたの?」
すぐにアキが、飛びつくようにする。
ショータが「あそこ!」と指差す。
「へっ?」
ユウジが、足を止める。
「なに?」
アキとカガリも、ショータの隣に並ぶ。
ぱぁ~っと、森が開けてきた…と思っていると、すぐにさぁっと
一面、モヤに覆われている。
「えっ?なんだ、これ」
モワッとした白い霧が、辺りを包み込む。
「みんな…気を付けて」
さっきまで、クリアだった視界が、いきなり白い世界に包まれている。
「うん」
キュッと、カガリはアキと、手をつなぐ。
四人は団子状にくっついて、固まる。
まるでそれ自体が、意志があるように、白い霧がブワ~ッと
四人を包み込んだ後、しばらくして、ゆっくりと流れていく。
それはまるで、タバコの煙のようだ…
フッと、アキはそう思う。
「そうだ、ナイトは?ルークは?」
前方を歩いていた二人は、大丈夫だろうか?
そう思っていると…
馬のひづめの音が、次第に近付いて来た。