大丈夫なのか?
今は、うんともすんとも言わないドローンを、じぃっと見下ろす。
ただの金属の塊に見えるそれは、うまく着地したのか、壊れた
ようには見えない。
『ジュンペイくんのこと、聞きたいんでしょ?
だったら、どっちみち…動かさないといけない』
「あっ、そうだ」
元々このリモコンを、ジュンペイに渡そうとしていたのだ。
だけども、それが叶わないから…試しに電源を入れたのだ。
「ねぇ~ジュンペイは、どこに行ったんだろう?」
それがさっきから、気になっている。
『聞いてみたら?』
試すような口ぶりで、リュウタは裕太にそう言う。
「でも…」
本当に、それが正解なのかどうか、裕太にはわからない。
『試してみなくちゃ、何も始まらないよ』
なぜかリュウタは、やけに熱心に、裕太に諭すように言う。
「そうだけど…」
何となく、気が進まない。
『ここまで来たんだから』
さらに重ねて言う。
「わかった」
ようやく裕太はうなづくと、ギュッとリモコンを握りしめる。
ふぅ~っと、大きく息を吐くと、スィッチを押す。
(まさか…逃げ出したりはしないよな?)
一瞬、そんなことを思うけれども…
ブーン…
下に落ちていたドローンが、フワリと浮き上がる。
「ちょっとぉ~いきなりスィッチを、切らないでくれる?
切るなら切るって、前もって言ってよぉ」
早速裕太に向かって、文句を言った。