「ねぇ、この馬は、どうしたの?」
ようやく、ハッと気づいたように、アキが聞く。
「ペガサス?」
「でも、色が違うわ」
アキとカガリが言い合うのを、ショータとユウジは、ニヤニヤ
しながら聞いている。
「やっぱ、そう思うだろ?」
ショータが言うのを、
「で?」
アキは答えを待つ。
「わからない」
アッサリと答える。
「なんだぁ~」
期待をして、ソンしたなぁ~
あからさまに、アキがそう言う。
「だけど…これに、四人は無理よねぇ」
ジィッと馬を見ていたカガリは、ガッカリしたように言う。
「だよねぇ」
「そうそう」
ケイタがいなくなったからといって、この城から消えたとは、
限らない。
「二手に、また分かれる?」
アキは、ショータに聞いてみる。
「うーん」
ショータは懐中時計を取り出すと、フタをあける。
だが、赤い点滅が四つ、見えるだけだ。
「ケイタのがない…」
ボソリとつぶやくのを、アキはのぞき込む。
「それって、どういうこと?」
問い詰めるようにして、ショータの方を向く。
「そんなの、わかんないよぉ」
ショータが答えるのに、さらにかぶせるようにして、
「アキたちのだって…一度、消えたんだよ」
ユウジがフォローするように、打ち明けた。