だが再び、
「おーい、誰かいませんかぁ?」
今度はさらにハッキリと、聞こえてくる。
その声は…
(やっぱり、ジュンペイ?)
「おーい、ジュンペイ~!!」
裕太は、のどがつぶれるかと思うくらい、声を張り上げる。
すると…一瞬、ピタリとジュンペイの声が止まる。
(まさか、気のせいか?)
裕太はすっかり、ガッカリするけれど…
「おーい、ユウタかぁ~?」
少しのタイムラグの後、間違いなく、さっきの声が返ってきた。
「そうだよぉ~ジュンペイ?」
一体、今まで、どこにいたんだ?
とても、心配したんだぞぉ。
言いたいことは、山ほどある。
そして聞きたいことも、それと同じくらいある。
それなのに実際は、
「で、ドローンは、どうなったの?」
まったく違うことを、聞いている。
(ユウタのバカ!何を聞いているんだ?)
もっと他に、聞くことはあるだろう?
何とも、マヌケな質問だ。
だがジュンペイは、笑う様子も見せずに、
「それがねぇ、見つからないんだ」
ケラケラと笑い声を立てる。
「え~っ、なんだよ、それ…」
まるで、ついさっきまで、一緒にいました…という口調で、
話している。
(違うだろ?どこにいるのか、聞かなくては!)
リュウタの背中にしがみついたまま、裕太はキョロキョロと、
ジュンペイの姿を探す。