「あら!あなたは、私と一緒に、ここで面白楽しく、過ごすつもり

 なんじゃぁなかったの?」

 いきなり、リンと高く響く声が聞こえてくる。

「あっ?」

「えっ?」

 まさか…見つかった!

ケイタとカガリは、その場で立ちすくむ。

うーん…

その時ようやく、アキが目をあける。

「カガリちゃん、どうしたの?」

のん気な声で、ケイタの背中から話しかける。

「あっ、アキちゃん」

カガリは引きつった顔のまま、

「気が付いたの?」

横を向くと、ケイタはそっと、アキを下ろす。

 

「ねぇ、どうしたの?」

 殺気立った二人の様子に気が付くと、けげんな顔をする。

 彼らの前には、白い雪の結晶のような、透き通った素材の

ドレスを身にまとった女性が、扉の前で立ちはだかっている。

「あら…あなたたち、思ったよりも早く、ここにたどり着いたのね」

 さすがに、そこまでは計算していなかったわ。

スラリと長い指先を、三人にピシッと照準を定める。

「そのお嬢さんも、ずいぶん勇敢なようね」

 ホント、元気な子ザルさんたちだこと!

冷ややかなまなざしを、アキとカガリに向ける。

「そういえば…もう二人、男の子がいたはずだけど?」

思い違いだったかしら?

女性は、小首をかしげる。

 どうやら氷の女王は、すべてを把握しているようだ。

「ところで、ユウジたちには、何もしていないよね?」

 何かしたら、絶対に許さないわよ!

アキは女王を、にらみつける。

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ