「そうよねぇ」

 また、何が起きるかわからない。

「確かに、カガリちゃんの言う通りかも」

アキは、ニコッと微笑む。

「ありがと、カガリちゃん」

 

 

 渡り廊下を進み切ると、新たな空間が広がる。

コツンコツンコツン…

ようやく何かが当たるような、音が聞こえる。

(なに?)

二人は、身体を固くする。

すると…目の前に、扉が現れた。

「アキちゃん…あれ」

「うん、ドアだね」

それは、わかる…

アキは、カガリと目を見合わせる。

(入っても、大丈夫だろうか?)

二人は、その場で様子をうかがう。

 

カツンカツンカツン…

「やっぱり、何か音がする」

「でも…何の音?」

「さぁ」

まるで、固い物が床に当たる音だ。

石?

ボール?

それとも…なに?

「アキちゃん…」

どうする?

純白の扉の前で、立ち尽くす。

 

 どこまでも、白一色に覆いつくされている。

真っ白な天井。

純白の壁、床。

触ると、ヒンヤリとして、冷たい…

「ここが…氷の女王の城?」

アキは、キュッと顔を引き締める。

ピリピリとした緊張感に包まれる。

「うん、行こう」

何となく、今までとは違う気がして、二人は手をギュッと

握り締める。

 さすがに透明の氷の扉ではなく、白い石で出来た扉だ。

当たり前のことだけど、中が透けて見えたりはしないのだ。

 

 

 

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