「えっ?」
どういうことだ?
実際に、しゃべっているわけじゃあないのか?
キョトンとしているリュウを、横目で見る。
「じゃあ、リュウには、聞こえないの?」
まごつくままに、裕太は声に出して言う。
ははは!
またも、長老は笑う。
「おい、リュウ!
この人に、教えてやってくれ」
何と長老は、リュウに向かって呼びかける。
(えっ?リュウにも、聞こえているの?)
さっぱり、わけがわからない。
どういうカラクリなんだ?
裕太は、オロオロとして、落ちつきなく、目をキョロキョロと
動かす。
そんな裕太の様子を見て、リュウも長老と同じように、ニヤニヤと
笑っている。
おかしなものだ…
さっきまで、大きな岩の塊に見えていた長老の顔が、段々と
表情までハッキリと見えてくる。
(目が…慣れてきたのか?)
混乱しながらも、そんなことを裕太は感心している。
「それは、そうだよ」
何と、裕太の心の声が聞こえるかのように、リュウがハッキリと
した声を出す。
「へっ?」
リュウが、何を言いたいのか、すぐにはわからない。
ポカンとする裕太に向かって、リュウはトンと近付いて来ると、
「慣れたら、平気だよ!
要は…チャンネルを合わせばいいだけだ」
ポンと、なんて事はないという調子で、リュウはそう言い放った。
