そんなに気になるのなら、さっさとしたら?

本当なら、それさえも嫌だ…と言わんばかりに、リュウは思いっきり

不機嫌な顔でそう言う。

「そうなのかなぁ」

何となく、引っかかるものを感じる。

だけど、裕太にはまだ、『これ』という決めてが思いつかないのだ。

 

「そういえば…ソイツのこと、見えたんだろうか?」

 いきなり思いついたように、リュウが言う。

「あっ」

 それだ!

ようやく、何が頭の中で引っかかっていたのかが、裕太にも明確に

思い当たる。

 自分たちには、今のジュンペイの姿は見えない。

 ならば、その人には…ジュンペイの姿は、見えていたのか?

どうやって?

見えなくても、ドローンだけを奪うことは、可能かもしれないけれど…

そうか?

そうなんだ。

何だか自分の胸のつかえが、晴れてきたような気がして、裕太はようやく

スッキリとした気分になる。

(だったら、どうやって、見つけたらいいのだろう?)

裕太はまだ、頭を悩ませている。

 

「そのドローンを使って、探してみたら?」

 なぜか面倒くさそうに、リュウがポンとそう言う。

「そんなこと…出来るの?」

へっ?

そんなことは、思いつきもしなかった…と、裕太はリュウを見る。

「だって、そうでもしないと…納得できないんだろ?」

冷めた口調で、リュウは裕太に向かってそう言う。

「まぁ~そうなんだけどな」

でも、ホントにいいのか?

裕太はうかがうように、リュウを見た。

 

 

 

 

 

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