「ねぇ、リュウ…

 その人は今、どこにいるの?」

 ニコニコしながら、裕太は話しかける。

だがリュウは、すっかりヘソを曲げたのか、ソッポを向いて

「知らないよ」と知らんぷりをする。

「知りたかったら、自分で探したら?」

と言うと、さっさとリュウタを動かそう…と、しきりと何かを

話しかけている。

「わかったよ、じゃあ…そこに行くには、どうしたらいいんだ?」

 とりあえずジュンペイが、一番だ。

裕太は、ドローンに向かって、問いかけた。

 

「それがよく…わからないんだ」

「えっ」

 ジュンペイのひと言に、勢い込んでいた裕太は、ひどくガッカリする。

「え~っ、それじゃあ、どうやって探すんだよぉ」

リュウはますます、口を尖らせる。

「いや、それは…」

ジュンペイの声が、戸惑いの色をにじませる。

「仕方がないだろ?

 ジュンペイだって…好きで、こうなったわけじゃあないんだから」

 ジュンペイに代わって、裕太が弁解する。

「当たり前だろ。

 好きでなられる方が、よっぽど始末が悪いよ」

リュウはフン!とソッポを向く。

 もしかしたら、ジュンペイに対して、焼きもちを妬いているのかも

しれない。

「ごめんなぁ、リュウ。

 こんなことに、巻き込んじゃって」

潔く裕太は、リュウに向かって、ペコリと頭を下げた。

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ