「いいから、気をつけろよ。頭をぶつけるぞ」
もっとも、ぶつけるだけなら、まだいいけどなぁ~
物騒なことを、リュウは楽しそうに言う。
ここは、笑うところじゃあない。
(完全に、リュウは楽しんでいるなぁ)
あえて裕太は、聞こえないふりをする。
まるでウォータースライダーみたいだ。
(ただし、命がけのな)
裕太はひそかに、そう思う。
(それにしても、こんな所が、地下に隠されているんだ…)
そのことの方が、よっぽどすごいことだ、と裕太は心の中で
そう思う。
まるでジェットコースターのように、どんどん加速してくる。
自分たちはただ、振り落とされたりしないように…と、リュウタに
身体を預けているだけだ。
「落っこちないように、気をつけろよ」
さらにリュウの声が聞こえる。
ウネウネとした道が続くので、次第にスピードがアップしてくる。
手に持っていた懐中電灯は、落っことしたら大変なので、すでに
リュックの中にしまっている。
真っ暗闇の中で、リュウタの目が、ピカッと怪しく光った。