「あっ、それって、アリスでしょ?可愛い~」
すっかりご機嫌斜めのアキに、何とか取り入ろうとしているのか、
カフはいきなり、はしゃいだ声を出す。
「ちょっと、クルッと回ってみて」
付け足したような言い方に、
(何を今さら…)
調子のいいヤツ、と思うけれど、それでも悪い気はしない。
「あっ、カガリちゃんは、白雪姫?似合ってるぅ~」
さらに続けて、オベッカを言う。
だが、カガリが大好きなアキは、それを無視することは出来ない。
「ね、そうでしょ?
とっても、似合っているでしょ」
実際のところ、いつも家で本ばかり読むカガリの肌は、青白いくらい
真っ白な肌なので、白雪姫のコスチュームは、とてもよく似合って
いるのだ。
「何を言っているのよぉ~
ソバカスだらけのプリンセスなんて…」
恥じらうように、カガリはボソッとつぶやく。
「そんなことないってぇ~
ゼッタイ、いけてるよね!」
アキはカフに同意を求める。
だが、その目には不穏な空気も漂っている。
(うんと言わないと、どうなるか、わかっているよね?)
その無言の圧力に気づいたのか、
「そうですよぉ、どこのお姫様かと思いましたよぉ」
やり過ぎなくらいに、褒めちぎる。
(ちょっとぉ~)
ジロリとカフに目をやると、今度はあわてて、ショータに近付く。
「それは、吸血鬼ですよね?カッコいいなぁ~」
黒いマントを引っ張る。
「アキ~!」
ショータが、SOSのサインをアキによこす。
ユウジのピエロに関しては、カフはノータッチだったので、
(そこは、スルーかい!ちょっとは、気を遣えよ!)と思う。
