「なんで、竜の道って言うの?」
しかたなく、裕太はタツさん相手に、話しながら歩くことにした。
「さぁ~何となく、竜に似ているからなんじゃあないの?」
タツさんは元々、話が得意ではないので、面倒くさそうに、ポツリポツリと
答えている。
よけいなことを言わないのは、うるさくなくていいのだが、その代わりに
聞きたいことも、ちゃんと話してはくれないので…
いつも消化不良な感覚を、もてあましてしまう。
裕太は、うーんと考え込みながら、
「リュウのことなんだけど…」
再び話を戻す。
「リュウって、赤ちゃんの時から、ここにいるんでしょ?」
果たしてタツさんが、答えてくれるかどうかは、わからない。
せめてリュウがいない、このタイミングに聞いておきたかったのだ。
「うん、まぁ、そうだな」
ボソリとそう答えると、再びトンと軽く、裕太の背を押す。
「あの子が来たのは、暑い夏のことだった。
この洞窟の入り口…覚えているか?
あの竜の像のところに、あの子は寝かされていたんだ」
フッと、タツさんの手の力が抜ける。
おそらくは、思い出しているのだろう。
「まだとても小さなあの子は…とってもおとなしい子で、少しも
泣くことなく、スヤスヤ寝ていたんだ。
ちなみに、あの子を見つけたのは…」
そう言うと、ボーッと、どこか一点に目を向けた。
