「裕太のために、行きますかぁ」
まるで一丁前の大人のように、ませた口調でリュウがそう言うと、
「タツさん!」
リュウは上を見上げた。
タツさんも、心得たもので、ヒョイっとリュウを持ち上げると、
スルスルと穴の中に入って行く。
「あっ、ちょっと!」
またさっきみたいに、つっかえてしまうぞ!
裕太は、先ほどのことを思い出すけれど…
リュウには、何か考えがあるらしく、
「大丈夫だよ。
あのオオトカゲが通った後は、すぐにわかるよ」
自信満々に、裕太を見上げる。
そんなことを、言いたいんじゃあないけどなぁ~
(それも、あるけれど)
「そうなのか?」
試しに…とばかりに、裕太ものぞいてみる。
すると、確かに、ジンさんの通った所には、ならしたみたいに、
なめらかな道が出来ている。
「たぶん、身体をこすりつけているからかなぁ。
だから、きれいに削れているのかも」
「へぇ~」
そんなものなのか?
だが、それだけ細い道であることには、間違いがない。
「それなら…タツさんでも、通れるの?」
心配そうに、リュウに聞く。
だがリュウは、ケラケラと笑う。
「あれが通ったんだよぉ~きっと、大丈夫だよぉ」
いくらタツさんでも、あれには負けるよぉ。
自信満々に、リュウは裕太に向かって、余裕の顔をしてみせる。
(ホントなのかなぁ?)
だが、一人で行くよりも、ここのことに詳しいリュウとタツさんが
いる方が、裕太としても心強いのは間違いなかった。
