「まさかリュウまで、ジュンペイみたいに、どこかに消えた…
と言うんじゃあないですよね」
裕太は半ば噛みつくようにして、ジンさんを問いつめる。
もちろん、ジンさんが悪いわけではない、というのも、裕太は知っている。
だけどジュンペイだけでなく、リュウやタツさんも、となると話が
変わって来る。
だがジンさんは、キュッと眉をひそめると
「大丈夫だ、と思うんだけどねぇ」
そう言うけれど、心なしか元気がなく、裕太の腕をキュッとつかむ。
「とにかくキミは…私の側から離れないで。
キミまで消えてしまったら、大変なことになる」
他にも何か言いたそうな顔をしていたけれど、すぐに思い直したように、
言葉を引っ込める。
裕太が、不安そうな顔をしたのに、気が付いたのだろう。
「大丈夫だよ、心配はいらない。
みんな無事に、帰してあげるからね」
まるで小さな子供に言い聞かせるようにして、ジンさんはそうキッパリと
言い切る。
「ジンさんは、何があった、と思うんですか?」
覚悟を決めて、裕太は真剣なまなざしを、ジンさんに向ける。
「たぶん…落っこちたんじゃあないか、と思うんだ」
言いにくそうに、ジンさんは答える。
だは裕太は、聞き逃さなかった。
「落っこちた?」
何だよ、それ?
「まさか…ガケから?」
洞窟に、そんな所があるなんて!
裕太はザワッと、鳥肌が立つのを、覚えた。