おかしなことも、あるものだ。

自分たちも、ケイタを追って、ここに来たのに…

何でケイタだけが、さらわれてしまったのだろう?

ゼペットさんは、黙り込んでいるアキたちを見ると、

「そうだねぇ~

 アイツらが、気に入った子供がいたら、どこかに連れて行かれて

 しまうことが、あるみたいだ」

 確か、そんな話を聞いたことがある、とゼペットさんは申し訳なさ

そうに、四人に告げる。

 

「だけど、早々 そんなことがあるわけではない。

 一体、キミたちには…何があるんだ?」

 励まされるかと思いきや、いきなり真剣なまなざしで、アキたちを

見詰めてくる。

「えっ?」

「なにって?」

「そんなこと、知らないよぉ」

 ボクたちが、聞きたいくらいだ。

ユウジも、ショータも、アキも、カガリも、思い当たることは

何もない。

「そういえば…ピーターが、ゼペットさんは何でも知っている、

 と言っていたけどなぁ」

ショータが、ポンと言う。

「あっ、そうそう」

アキもうなづく。

そうして、ゼペットさんに向き直る。

「教えて下さい。

 私達…どうしたらいいんですか?」

このままだと、自分たちまで、ケイタの二の舞になってしまう…

「そうだなぁ」

ゼペットさんは少し考え込むと、

「それじゃあ、キミたちは…

 このまま、ここに残るつもりなんだね?」

あらためて、真剣なまなざしを四人に向ける。

「はい」

「もちろん!」

「そのつもりです」

四人は、一斉にうなづいた。

 

 

 

 

 

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