一体、どういう仕組みになっているのだろう?

何の変哲もない、ただの扉に見えるけれど、一つ一つが、まったく

違う意味があるようだ。

 

「ゼペットさんは、どうするの?」

 何気なく、アキが聞く。

もしかして…このままいなくなってしまうのではないか…と、

心配になってきたからだ。

 ゼペットさんは、ははっと笑うと

「私は、キミたちと一緒にいるよ」

にこやかに、そう言う。

「えっ、でも!ピノキオは、どうするの?」

確か…ピノキオを探しているはずだ。

アキは、ゼペットさんのことを、心配そうに見る。

「あぁ~」

ゼペットさんは、大きくうなづくと、

「もちろん、ピノキオは探すつもりだ」

キッパリと、そう言い切る。

「だって、あの子は…私の大切な子供だ」

ちょっと、愚かだけどね。

ニヤリと笑う。

「ダメな子ほど、可愛いもんだ」

そうゼペットさんは言うけれど、アキには今ひとつ、ピンとはこない。

 

「ピノキオを探すっていうことは、私達とずっと一緒には、

 いられないですよね?」

「それは、キミたちが、心配する必要はない」

子供は、余計なことは言うな、とゼペットさんはキッパリと言い切る。

「で、キミたちは…何を探しているんだ?」

アキたちが言うまでもなく、ゼペットさんから切り出してくれた。

「あっ」

アキはようやく、我に返る。

「そうなんです。私達、友達を探していて」

そう言って、ゼペットさんの顔を見つめる。

「ほぅ~もしかして、さらわれたのか?」

ゼペットさんは、五人の顔を、順繰りに見つめた。
 

 

 

 

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