「え~っ、何それ!」
「いつの間に?」
アキは驚いて、ゼペットさんの手元をのぞき込む。
「おや」
ゼペットさんは、アキを振り返り
「なんだ、知らなかったの?」
ニコニコしながら、そう尋ねる。
アキはこっくりとうなづくと、
「小人が届けに来たのかと思った」
ポツンと言う。
「へぇ~何だよ、それ」
「ファンタジー」
ユウジが、ケラケラ笑う。
「何よぉ」
バカにしないでよ、とアキは頬を膨らませる。
「ジョーカーって、だれ?」
だがカガリは、眉間にシワを寄せて、先ほどから考え込んでいる。
「そうそう」
ショータが、大きくうなづくと、
「まだ、実物を見たことのある人はいない…という話だ」
ゼペットさんは、キッパリとそう言う。
「なぁ~んだ。都市伝説?」
アキはガッカリした顔をする。
「いや、案外あるかもしれないぞ」
なぜかショータは、メガネをキラリと光らせて、アキに向かって
そう言う。
「確か…ボクたちの他にも、さらわれてきた子供たちが、いるんですね?」
先ほどから、ショータは何事か、考えているようだ。
「あぁ、そうだ」
「その子たちは、今どこに?」
カガリも身を乗り出して、ショータの隣で、割り込むようにして聞く。
「ここにいて…捕まった子もいれば、どこかに紛れ込んでいる子も
いるって聞くが…」
ゼペットさんは、急にキッと真剣なまなざしをして、ショータと
カガリを見つめた。