「それじゃあ、引っ張ってあげよう」
それなら、いいだろ、とタツさんは裕太の手をギュッと握る。
大きくて、ゴツゴツした手だ。
そうすると、思った以上に、裕太の足取りが軽くなった気がする。
引っ張り過ぎることなく、適度な力が、裕太の足取りがスムーズになる。
「ユウタも、オンブしてもらったらいいのに」
ちゃっかりとリュウも、反対側の手にぶら下がる。
ひゃあひゃあとはしゃぐ声がするので、引っ張り上げてもらっているのかも
しれない。
(タツさん…どれだけ、力持ちなんだろうなぁ)
これだったら、裕太を抱えることぐらい、造作ないことだったのかもしれない。
一旦立ち止まってくれた、ジンさんの姿は、もうすっかり闇の中に
消えてしまっている。
(あの人も…どれだけ体力があるのだろう?)
ジンさんと、タツさん。
全く違う二人だけど、常人離れしていることだけは、間違いない。
それでもドンドン前に進んで行くと、段々と上へと向かっているのが
わかった。
「今…竜に例えたら、どの辺りくらい?」
思わず裕太は、思っていることを聞いてみる。
さっきが、シッポ辺りだとすると…今はどの辺り?
ボンヤリと、そんなことを考える。
「そうだなぁ~1/3くらいかなぁ」
タツさんがそう答える。
「まだ、1/3かぁ~」
思ったよりも、まだ進んでないなぁ~
裕太は一瞬、気が遠くなりそうになってきた。
