「平気だよ、みんながいれば…

 キミはただ信じて、ついてくればいい」

 その声は、決して大きくはなかったけれど、裕太の心にまで

響く声だった。

(なんだろう、この感じ…)

何だか、よくわからないけれど、素直に信じる気持ちになる。

「ジュンペイくんはね、きっとあそこにいるんだ。

 今は、外には出られないことかもしれないけれど…

 きっと、キミの所に戻ってくよぉ」

やけに落ち着いた声だ。

「はい」

ストンと裕太の心に、その言葉が落ちて来る。

「わかった?」

リュウが裕太の足を突っつく。

「うん、わかったよ」

悔しいけれど…みんなのことを、信じるしかないようだ。

 

「ごらん!あそこに光が見えている。

 きっと、あの辺りに、何かがあるはずだ」

 いきなりジンさんが、前を向いたまま、裕太に向かって

話しかける。

「えっ」

ジンさんがまっすぐ指し示す方向に、目をやる。

わずかに、トンネルの向こうに、ポゥッとロウソクの火が

灯っているように、オレンジの光が見えている。

「あっ」

「ホントだ」

リュウと裕太の声が、リンクする。

「あの!あそこ、何があるんですか?」

ジンさんに向かって、声を張り上げるけれど…

ヒョイヒョイと、まるでスキップをするように、ジンさんは

その光に向かって、吸い寄せられて行く。

 

 

 

 

 

 

 

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