「あっ」
「あれって!」
「ゼペットじいさん?」
まさか、こんな所で見かけるとは…と、その偶然に、
四人はひどく驚く。
「ってことは…もしかしたら、ピノキオを探している?」
カガリが一番に気が付いた。
「あっ、そうかぁ~」
「それだ!」
キツネに惑わされて、四人はすっかり、ピノキオのことを
忘れていた。
「てことは…」
「この中に、ケイタも」
「いるはず?」
アキとユウジは、顔を見合わせる。
「よし、先回りをして、探してみよう」
四人はそれぞれ、パッと散る。
それぞれが、子供たちの波を縫って、入り口へと近付いて行く。
てっきり、ゼペットじいさんは、中に入るかと思いきや…
入り口の所で、キツネに足止めをくらわされている。
「ちょっと、どうしたんですか?」
早速アキが声をかけると、白髪頭の老人が、こちらを振り向く。
「だから、ダメなんですよ!
ここは、子供専用!
大人は、立ち入り禁止!」
門番よろしく、キツネとネコが、通せんぼをしている。
「あっ、御嬢さん。
この人はねぇ~いくら言っても、わかってくれないんですよぉ」
さっきまで、アキをからかっていたくせに、この時ばかりは
手のひらを返したように、愛想よく話しかける。
「あら、どうしてダメなんですか?」
白々しくキツネに聞く。
「それはねぇ」
キツネはニヤリと小ズルイ顔をすると、ネコをチラリと見る。
「ここは、ファンタジーランドなんだ。
子供の国なのだから、大人は入ってはいけないんですよ」
決まってるでしょ、とキッパリと言った。