「おい!まだ話しているのか?
いい加減にしろ!」
どうやらオジサンが、しびれを切らしたようだ。
「タイムリミットのようだな」
先生は、扉の方を見る。
「でも…ソータローに聞くって、どういうこと?」
まだ…肝心なことは、何も聞いてはいない、と清子は思う。
「うん、それなんだけどねぇ」
先生は、壁に寄り掛かって、スヤスヤ眠る宗太郎の方を見る。
「おじいさんだ」
「おじいさん?」
「そう」
いきなりおじいさんだ、と言われても、何のことだかさっぱりわからない。
先生は、キョトンとする清子に向かい、
「実は、おじいさんが古屋敷に、何かを託したようなんだ」
「はっ?」
思っているのと、まったく違うことを耳にして、
「うそでしょ」とつぶやく。
これはもう、先生がオジサンに聞き出すしかないのでは、と頭を悩ませる。
「あっ」
思わず清子が、声を上げる。
そういえば…宗太郎は何か、言っていなかったか?
(だけど、あの子を守ってくれって、どういうことなのか?)
それに、あの子って、誰だ?
まさか、神林君か?
それとも、あのお姉さん?
(まさか、他にもいる?)
どうも、ピンとはこない。
だがそれは、神林君も同じように思っていたようで、憮然とした顔つきで、
「どうして…ボクじゃなくて、ソータローだったんだろう?」
なぜか少し寂しそうに、つぶやく。
「リョウくん、そんなことはないよ。たまたまだよ」
あまりに寂しそうに見えたので、清子は何とか慰めようと考える。
今にも目を覚ましそうな、その女の子を清子は見つめる。
相変わらず、まぶたをピクリとはしないので、よくはわからないけれど…
確かに、誰かに似ているような気がする。
