「へっ?」
空耳か?
どこから?
清子もやはり、驚いた顔をしている。
「まさか…神林か?」
高柳くんも、その姿を探している。
「みなさん、お揃いで~どうしたんですか?」
やけに丁寧な声が聞こえるけれど、逆に皮肉っぽく聞こえる。
「どこだ?」
焦って高柳君が、声を上げるけれど…
「あれ?わかりませんかぁ?」
妙に明るい声で、神林くんが笑う。
清子は、どうだ?
宗太郎が彼女を見ると、清子も頭を振る。
(やはり、わからないかぁ)
おそらくどこか…自分たちの見える位置で、話しかけているのだろう…
「からかうなよ、出て来い!」
じれた様子で、山下君も叫ぶ。
「あーあ、せっかく、高みの見物をしていたのにぃ」
勘弁してくれよぉ~
笑いながらも、ようやく彼は姿を現した。
どうやら、自分たちが先ほどまでいた、神社からつながる茂みの方から、
宗太郎たちを見ていたようだ。
(あれ?いつの間に?)
さっき見た時は、いなかったはず…
もしかしたら、隠れていたのか?
神林くんは、ある意味、予想を上回る行動をする。
「おまえ…今まで、どこにいたんだ?」
顏を紅潮させて、高柳くんが神林くんに向かって、声を放つ。
「どこって…じいちゃんの具合が悪くなって、病院に」
その割りには、とても淡々としている。
「えっ」
まさか、そんなことになっているとは、知らなかった。
「あっ、そうだったんだ」
「で、おじいさんは…?」
遠慮がちに、清子が聞く。
すると、神林くんはしごくあっさりと
「今朝…亡くなったよ」
何のためらいもなく、そう言った。
