「あなたねぇ~さっきから、考えがないのよ。
大体、おじいさんはどうするのよ。
もしも、何かあったら?
あなた…責任は取れるの?」
いつもは、寡黙な清子が、さっきからまくしたてている。
(女を敵にすると、ろくなことに、ならないんだぞ)
ほら、言わんこっちゃない。
宗太郎は、心の中でつぶやく。
清子は昔から…そういう所があるのだ。
正義感の塊というか、お人良しというか…
曲がったところが、とにかく嫌いなのだ。
あまりの勢いに、神林君は顔をこわばらせ、
「ごめん…」と頭を垂れる。
「悪ふざけは、やめなさい!
いいから早く、元に戻すのよ」
腰に手をあてて、命令口調で言い放つ。
その勢いに押されたのか…
「いや、それは無理なんだ…」
神林君はうなだれる。
「だって…解錠の方法を、じいさんに教えてもらってないから」
うなだれつつ、はっきりとそう言う。
「何よ、それ!」
清子の絶叫が、響き渡った。
「なんだよ、それ」
思わず宗太郎も、ボソリとつぶやく。
なんて、無計画なんだ!と、宗太郎も思うけれども。
「だから、言っただろ?
これは、ゲームだ」
平然として言う神林くんに、
「おまえ…何もなくて、そんなこと、しないだろ?
何かあるんだよな」
宗太郎は思わず、彼の肩をつかんだ。
「どうして、そう思う?」
ジロリ…と黒目がちの瞳を、宗太郎に向けた。
