もはや…これまでか。
(まさか、また…下にもぐるの?)
これはまいったぞ。
裕太は少し、焦っていた。
まさかここが、これほど大きいとは、知らなかったからだ。
「もしかして、トンネルはカモフラージュ?それとも…」
(あとで、誰かが掘ったのか?)
裕太は足元を見つめる。
この穴は…まるで、底なし沼のようだ。
これはもう無理だ。
さっきいた場所に戻ろう…と思っていたら、
ヒラリ…
目の前を、あの青い蝶が飛んでいるのが見えた。
「おまえ…まだ、こんなところにいたのか?」
これって、ホンモノか?
一瞬。ロボットか何かのようにも見えたが…
(バカな!マンガの見過ぎだろ?)
すぐに否定する。
裕太は、SFものとか、トレジャーハンターもののアニメが、お気に入りだ。
ゲームは、例によって、母さんに取り上げられているため、
時間制限付き、テストの成績に左右される…という厳しい統制のもとに
置かれている。
じいちゃんから貰ったお年玉で買った、ゲームソフトは…
母さんの監視下に置かれている。
「こんなゲームばかりしているから、あんたたち、あんな冒険ごっこを
するのよ!」
ただいま母さんの逆鱗に触れている。
去年の今頃は、何をしていたのだろう?
確か颯太と、隠れ家造りに没頭していた、と覚えている。
(あれも、どうなったのだろうなぁ?)
かなりガッカリなのだ…
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